デジタルイラストやCGイラストに興味はあるけれど、難しそうでなかなか手が出せない……
そういう人って多いですよね。
この記事では何を用意すればデジタルイラストをはじめられるのか初心者の方にとっても分かりやすく解説します。
ざっくりデジタルイラスト概論
ここでのデジタルイラストは、パソコンやタブレットを使って描く絵のことを指しています。
紙に鉛筆やペン、筆を使って描くことと、いくつか勝手の違うことがあります。
そこでまずは、デジタルイラストのいいところを紹介します。
デジタルイラストの良いところ
アナログで絵を描く場合と比べると、
例としてちょっと微妙ですが、私がペンタブとペイントソフトを買って、初めて描いた絵を晒します。
この絵を描いたのはおそらく7年ぐらい前で、興味本位で中華製のよくわからんメーカーの板タブとクリップスタジオというソフトを買って、好きなアニメのキャラを描いてみました。
この時は絵やデジタルイラストの知識はほぼなく、らくがきもノートに暇つぶしで描く程度でした。
ちなみに、当時買った板タブではきれいな線が引けずに嫌になり、しばらく描かない期間がありましたw 完全に挫折ですね。
この記事で紹介するものからはじめれば、よりスムーズにデジタルイラストがはじめられると思います。
ざっくり必要なもの
- パソコン
- ペンタブレット
- ソフト(アプリ)
最低限必要なものはこの3つです。順番に解説します。
ただし、パソコンはこの記事では割愛します。持っている場合は活用する、という前提で進めます。
ペンタブレットはなにを買えばいい?
回答としては、ざっくり2パターン。
持っているパソコンにペンタブレットを接続して使うか、iPadで描く。
One by Wacom
- 近年のWacom製品の中でも抜群のコスパ、というかこれで必要十分
- デザインに無駄がなく、美しい……
- 筆圧段階が一昔前のIntuos Pro と同等の2048レベルであり、ペンタブ業界において安心と信頼のWacom製
既に持っているパソコンを活用するなら、「One by Wacom」だけ買うのが安上がりです。
板タブは他のメーカーからも出ていますが、この価格でこのクオリティのものがWacomから出ているので、特にデジタルイラストをこれからはじめたい! という初心者の方なら、なおさら一択です。
iPad
- ペンで画面に直接描ける
- タブレットなので単体で動く(パソコンが要らない)
- 携帯性もいいから、どこでも描ける!
初心者の方によりおすすめなのは「iPad」です。
3万円台から購入できる「iPad」が、2018年のモデルから「Apple pencil」も使用できるようになり、コスパ抜群! ということで話題になりました。現在は2019年モデル(第7世代)が販売されていますね。
紙に迫る描きやすさ!
正直、紙に鉛筆やシャーペンでらくがきしていた人間が、いきなり板タブレットで思い通りの線を引くのは無理です。描く領域と、線が表示されるモニターとが分かれています。これに感覚として慣れるまでは、狙った線は引けません。
その点、「iPad」であれば、アナログとほとんど同じ感覚で描くことができます。
さらに、このようなフィルムを貼れば、ペン先と画面の間に、紙と鉛筆に近い抵抗ができるので、いい感じです。つるつるの画面に描くのはペン先が制御しづらく、私は無理でした。。
あと、「Apple pencil」は別売りになってます。単体で一万円ちょいと地味に高い…
※「iPad」で使えるApple pencilは第1世代です。第2世代は最新の「iPad Pro」に対応したものなので注意してください。
iPad Air/Proの話
ちなみにですが、予算に余裕があるのなら、「iPad Air」の方がスペックが高いのでおすすめです。性能から考えれば、コスパもいいです。それから、「iPad Pro」はその名の通り、仕事でガチで使う人向けです。こちらももちろん予算が許すのなら、ハイパフォーマンスなのでありですよ、高いですけど。
その他のペンタブレットについて
板型のタブレットは上記の通り「One by Wacom」一択。
液晶型タブレットにもWacom製のものがありますが、そちらは単純に高いので、ハードルが高いです。しいて言えば「Wacom Cintiq 13 FHD」がラインナップの中ではリーズナブルです。
また、Wacom以外のメーカーの液タブについてですが、安いものは視差があったり、色味がおかしかったり、液晶が熱くなったりすることが少なくありません。まともなものとなると、今度はWacom製でなくとも普通に高かったりします。
以上の理由から、現状は液タブ用途でも「iPad」がおすすめですね。ふつうのタブレットとしても使えますし。
ソフト(アプリ)はなにがおすすめ?
ソフトのおすすめは無料の「メディバンペイント」、いま勢いのある「クリップスタジオペイント」、iPadに最適化された「Procreate」です。順番に解説します。
メディバンペイント
- 無料!
- 漫画やイラストが描きやすい
- 機能はシンプルめ
私も使っていたのでおすすめできます。
ペン、ブラシ、バケツ、レイヤー、選択・変形、色調補正…とりあえずイラストを描くための機能は一通り揃っています。なにより無料ではじめられるのでおすすめです!
CLIP STUDIO PAINT
- 機能が豊富
- アップデートが頻繁
- 書き味がいい(個人的に)
有償ですが、個人的おすすめソフトはダントツでこの「クリスタ」(「クリップスタジオペイント」略して「クリスタ」)です。
価格はPC版が買い切り5,000円程で、iPadのアプリ版は月額480円のサブスクリプションです。年間契約なら50%割引されます。
機能が豊富な上に、精力的アップデートが繰り返されているので、いまシェア的に一番勢いのあるペイントソフトです。
体験版もあるので、とりあえず触ってみましょう。
Procreate
- 動作が軽い
- UIがシンプル
- 初期ブラシが豊富
iPadにオススメ!「Procreate」は買い切り1,220円です。
UIや動作の軽快さからiPadに最適化されたペイントアプリという印象を受けます。
非常に出来が良く、iPad版の「クリスタ」は月額制なので、買い切りの「Procreate」の方が手軽に購入しやすいかもしれませんね。
あと地味にタイムラプスの書き出しが出来たりしておもしろいです。
PC版のその他のソフトについて
上記以外のペイントソフトとしては「Photoshop」、「SAI」がメジャーですね。あとはすこしマイナーなところで「Krita」、「Paintstorm」などがあります。
「Photoshop」は現在サブスクリプションとなっているので月額でおよそ1,000円程かかります。継続して使うとなると他のペイントソフトに比べて高く感じられますね。そもそも「Photoshop」はデジタルイラストに特化したソフトではなく、画像編集全般をこなせる高機能なソフトです。初心者がいきなり使うにはオーバースペック気味かもしれません。
「SAI」はかなりメジャーなソフトですね。「クリスタ」が出てくるまでは「Photoshop」か「SAI」が一般的なペイントソフトでした。現在ではアップデートされ「SAI2」となっています。基本的に「SAI」自体はすばらしいソフトですが、個人開発のため、「クリスタ」と比べてしまうと、アップデートの頻度が少なく、機能が充実していません。価格帯も同じなため、あえておすすめはしませんでした。
「Krita」と「Paintstorm」は、それぞれなんだかすごいペイントソフトが出てきた、みたいな触れ込みでインストールして、触ってはみたのですが、あえてメインで使っている「クリスタ」よりも優先して使う程の魅力は当時感じませんでした。
iPadのその他のアプリについて
iPadのペイントソフトは正直「Procreate」、「Clip Studio Paint」、「メディバン」に触れればOKって感じなんですが、一応「Adobe Fresco」というアプリがあります。特徴としてはとにかくアナログライクな書き味をアプリ上で再現してくれます。興味があったら、触ってみてください。
すこしモニターの話も
パソコンでイラストを描いていると、モニターの色味も気になってくるかと思います。ただし、この記事ではまず0から「はじめること」に注力しているため、すこし余談となってしまいます。キーワードと軽めの補足だけに留めますね。
「24インチ」、「IPS」、「ノングレア」、「sRGBカバー率」
モニターのサイズは全体を見渡しやすく、かつ作業スペースは広めにとれるという点から、「24インチ」前後がおすすめです。色味もきれいな方がいいので「IPS」。長時間、反射のきついモニターを見ていると、目が疲れやすいので「ノングレア」。デジタルイラストでの作業環境なら、おおよそカバーしきれる「sRGBカバー率100%」のものがいいです。
まとめ
今回の記事はいかがでしたか。
最低限の選択肢は抑えつつ、おすすめはこれ! と明記しているので、迷うことは少ないはずです。
既にパソコンがあれば、安くて5000円からデジタルイラストははじめられます。
ぜひ一緒に描きましょう! レッツトライ!