『目のデザインの考え方』でも書きましたが、特にデフォルメされたキャラの表情の描け分けは記号的なデザインの要素も大きいと思います。この記事で解説していきますが、ある程度はパターン化して覚えてしまうのが有効です。
表情の例
簡単にですが、無・怒り・笑い・泣き・悲しい・驚きの表情の例です。
ポイントとしては、顔のパーツで動くのは「目・眉・口」ということです。
顔のパーツの中では鼻は動かない方なので、上記の例のような一般的な表情の場合は一旦考えないでいいです。表情を考えるときも鼻は顔の中心に配置してしまっていいでしょう。
表情の考え方
実際に表情の考え方について、目・眉・口とわけて解説していきます。
「目」の表情の考え方
目は基本的に「開く」か「閉じる」という動きがありますね。
表情としては、目は開いている方が基本になりますね。
笑うと目は細くなります。絵の中ではほとんど閉じているような表現になることも多いです。
それから、あきれたような表情や諦めたときの表情でも目は閉じますね。
覚えておいてほしいのは、人の表情はパーツだけ切り取って見ると、感情は違っても同じような動きをするということです。
実際に上の画像はそこだけ見ても感情が特定しきれないと思います。一応続きで顔全体を描けば、目が閉じきらない笑顔になるよう描いています。
怒りの表情では目に力が入ります。
力強く見開いているので、眉間にしわが寄り、目は三角形型になります。
「ひとみ」の演技
気分が落ち込んでいるときは下の方を見ます。
考え事をしているときや、なにかを思い出そうとするときは上の方を見ます。
驚いたときに人の瞳孔は小さくなりますが、絵の表現としてはわかりやすくひとみごと小さくなります。
「眉」の表情の考え方
眉は基本的には「上がる」か、「下がる」かです。
眉が上がったときは、アーチ状になりやすいです。
加えて眉の場合は傾きがあり、感情の表現に大きく関わっています。
眉頭が下がると、怒ったり真剣な表情になります。
眉尻が下がると、困ったような表情になります。
「口」の表情の考え方
口も動きの基本は開閉ですが、構造が複雑なのでより立体的な動き方をします。
笑うと口角が上がるという動きを見せます。
逆に口角を下げると不満げです。
口をすぼめるという動作もありますね。
つまらないのか、口笛を吹いているのか、セクシーな表情なのか、その感情は他のパーツの動きと合わせて決まるでしょう。
応用の表情
眉尻は下がっているのに口元は笑っている表情
いわゆる苦笑いの表情ですね。(めっちゃ無理してそう……)
これまでの目・眉・口のそれぞれの動きの組み合わせで、より複雑な感情を表情として表現することができます。
他にも、眉頭が下がって目は真剣そうなのに口は笑っているとか……組み合わせはいろいろあるので、みなさんもぜひおもしろい表情を考えてみてください。
鼻の演技
一応、鼻も動かないことはないのですが、「においを嗅ぐ」という動作など使い方は限定的ですね。
まとめ
表情は「目・眉・口」の動きの組み合わせで決まる。
怒っているときの顔ってどんなかな……みたいに抽象的な感情を直接表情でえがこうとしても難しいと思います。
今回の記事を参考にすれば、顔のパーツのそれぞれの細かい動きと合わせて表情を考えられるので、キャラクターの生き生きとした表情も考えやすくなります。
また、当然ですがキャラや人物の表情はこの記事の内容がすべてではないので、みなさんもぜひ自分の中のその時のそのキャラのベストな表情をたのしんで探してみてくださいね!