「イラスト描いたけど、なんか地味だな……」
そんなときには、エフェクトを加えるとかっこよくなるかもしれません。
この記事ではエフェクトの中でも汎用性の高い使いやすいものを作例を交えて紹介していきます。
まず、ベースとなる素材を2枚描きました。これにそれぞれのエフェクトを描き足していきます。
ラフな状態ですが、今回はエフェクトがメインなので、これから印象がどう変わるかに注目してください。
舞うエフェクト
花びらのエフェクト
作例イラストでは桜のイメージで描きました。
流れとしては、右の方から吹いてきて左へ抜ける感じで、奥にもすこし回り込んでいる感じにしています。
舞う系のエフェクトは全体的な方向性を持たせつつ、ちょっとランダムさも出して不揃いにするのがポイントです。サイズの差をつけたり、光があまり当たっていない花びらも想像しながら描いていきましょう。
全体的なバランスが一番大事なので、描いては引きで見るということを繰り返しながら作っていきます。
花びら以外の効果としては、背景を桜の色が見えやすくなるよう暗めにしています。
画面の上下は乗算ですこし暗くして、真ん中に視線がいきやすくなっています。
あとは花びらの流れにそって、軽くオーバーレイで赤みをつけています。
絵全体の見映えを向上させるには、そういった工夫が大切になってきます。
羽のエフェクト
羽もエフェクトとしてよく使われますね。
光が差し込むと神秘的な雰囲気になります。
羽の作例では風を吹かせずにひらひらと落ちてきているシチュエーションを想定しました。
ただ、サイズや向きを不揃いにして、自然な感じにするということはいつも気をつけないといけません。
すべての羽を描き込まなくても、目につきやすい一部分のディテールが描き込んであるとリアリティが増します。むしろ重要でない部分はちょっとピントがボケている方が、見せ場がより際立つようになります。
演出として光が差し込んでいる場面にしたので、光が当たっていない大部分は暗めにしています。
羽の一部はふちにハードライトで光の色を強調させて、目立たせるようにしています。
蝶のエフェクト
蝶ですね。
当然ですが生き物なので、動きや形のバリエーションも多くなります。
ちょっと描きすぎても、気持ち悪い感じになってしまうので、今回はこのくらいで抑えました。
演出的にはシンプルで、全体的に自然を意識して緑がかった色にして、画面の際の方には葉っぱっぽいシルエットで影を置きました。
蝶の羽は部分的にすこし光が当たっているように光らせています。
ちなみにですが、鳥とコウモリの案もありましたが、画面を埋めて汎用性が高いというテーマだったので、今回は蝶にしました。
鳥は遠景には使いやすいです。コウモリはキャラクターがほぼドラキュラですね。
魔法・属性エフェクト
魔方のエフェクト
魔法陣を描きました。
魔法陣の模様は、クリスタの対称定規と同心円という定規ツールを組み合わせて作っています。
文字っぽい部分はブラシで手書きしていますが、同じツールを使えばわりと簡単にできると思います。
背景の魔法陣を光らせるために、それ以外は暗めに構成しています。
魔法陣周辺のぼんやりとした光はスクリーンのレイヤーでボケあしのあるエアブラシで塗っています。
キャラのライティングは逆光気味で、杖の先も光っているという設定です。
風のエフェクト
風のエフェクトは、全体的な流れをすこしランダムにしています。
ライティングもあまり凝ったことはしていません。
いくつかパターン描いていて感じましたが、毎回ドラマチックな画面構成にしようとすると、逆光で暗めのところに一部強めの光を当てて、エフェクトの流れも前後感が出るようにある程度決まった配置をやってしまいがちになってしまいますね。
仕方ない部分もありますが、部分的には違う描き方も意識してするようにした方がいいかもしれません。
水のエフェクト
水のエフェクトは杖の先から放射状に広がってベールのようになる、というイメージで描きました。
水自体は暗くなる部分と、光が反射する部分を光源の位置にしたがって描いていくのがポイントになります。資料として写真を見るのも大事ですが、イラスト調でまとめるにはデフォルメも重要になってくるのがむずかしいところですね。
基本的なことですが、エフェクトはキャラクターを中心に手前と奥にもあると、奥行きや臨場感が出てきます。手前に大きめの塊をつくったり、目立ちすぎないくらいに奥にも描き足すといいですよ。
もうひとつセオリーとして、キャラクターの顔にはあんまりエフェクトはかぶせません。顔はたいてい見せ場で魅力的なポイントですから。
電気のエフェクト
電気のエフェクトです。雷を使った案もありましたが、今回は体から発光している感じにしました。
全体的な方向として、電気は右から左へ向かっているようにしています。
すばやく移動してきて、止まった瞬間という想定です。
電気の描写も基本的に明るい色を使うことになるので、それを見せるためにやはり背景は暗めにする必要がありますね。
電気自体の色も今回はわかりやすく黄色にしましたが、青白い感じでもかっこいいです。
紫や黒を主体にするとだいたい闇属性になります。
炎のエフェクト
炎のエフェクトでは、炎を発しているのは刀だけにして、周りの建物が燃えているようにしました。
炎の色自体は中心の方が明るくオレンジ系から赤まで使えて、燃えたものや煙の要素がわりと黒い色なので、背景は明るくても見えやすいと思います。今回は雰囲気を重視して暗めな構成にしました。
光源も炎としているので、下から光が照っているようなライティングです。
火の色を全体的に明るくしてしまうと、視点が散ってしまうので建物の火は大分暗くしています。
刀のエフェクトの部分ともあまり被らないように、重なる部分はほとんど黒っぽい色で塗っています。
まとめ
ラフなところからエフェクトを描き足すと、結構完成がイメージできるような絵になりましたね。
今回は画面全体に効果があるようなエフェクト集でしたが、もっとささやかなものも含めればこういうものはたくさんあります。たとえば、粒子っぽいつぶつぶのブラシとか、太陽のフレア、光のプリズム。
そういうのも含めてエフェクトは使いこなせると、イラストの見映えがかなり向上するので、ぜひマスターしていきましょう。